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BOREOS LX
 

2001年に登場して以来、イオス・コレクションは世界中の腕時計愛好家や業界紙の注目を集めてきました。大胆なデザイン、シンプルなコンセプト、そして複雑なソリューションがイオスを高級時計メーカーの世界でも最も需要の多い腕時計の一つとならしめたのです。
実際的で、魅力的でもあるイオス・モデルは、ダイアルの両側にあり、ロケーションに合わせた日の出・日の入り時間を示すレジスターを大きな特徴としています。これは、装着者のロケーションの緯度と経度に合わせたパーソナルダイアルを装着することで、可能になりました。
2002年、マーティン・ブラウンは次の傑作、イオスの“子孫”であるボレアスを世に送りました。日の出の女神の子供にちなんで名付けられたボレアスは、ギリシャの北風の神です。意外なようですが、ボレアスは、イオスよりもずっとユニークなモデルです。というのも、2つの天文学的な機能、すなわち均時差表示と日の出/日の入り表示を備えているからです。均時差は、平均太陽時と視太陽時の差を示します。この表示上では、小さな針がアーチ型スケールの上を動き、時針と秒針で示した平均太陽時に対し、プラス/マイナス16分までの差を示してくれます。これは、高級腕時計にしては実に珍しい機能です。
イオスを世に出してから7年後、マーティン・ブラウンはこうした有名な天文学的機能に新たな機能を加えることを思いつきました。サービス・インジケーターです。このインジケーターにより、ユーザーは時計にも専門家によるメンテナンスサービスを受ける時期がきたことを知ることができます。自動車のように時計もほぼ5年ごとにメンテナンスを受ける必要があります。このインターバルが過ぎると、ダイアル上のサービス・インジケーターが赤く変わり、ムーブメントのメンテナンス時期がきたことを知らせてくれるのです。しかも、カウントされるのは、時計が実際に動いていた合計時間のみ。
今日では、現代的な高性能な合成潤滑油のおかげで、サービスインターバルを5年にするのは容易です。時計の機構そのものも、針を前に回しても、後ろに回しても、外からは操作できないように設計されています。メンテナンス中にディスプレイをリセットし、サイクルをゼロにできるのは、熟練したプロのウオッチメーカーだけです。
マーティン・ブラウンの時計職人としての国際的キャリアを固める道を造ったのもまた、彼のデザインしたダイアルでした。ダイアルは素材とレベルの多様さによって、まったく違った表情を見せてくれます。日の出/日の入り表示のスケールは、フランジの下では消えてしまうようですが、サファイアクリスタルの下にあるダイアル上ではまるで浮かんでいるようにも見えます。
このダイアルは、マーティン・ブラウンの新しい44㎜ケースにはめられています。わずかに修正を加えられていますが、決してマーティン・ブラウンのケースらしさを失ってはいません。革新的な要素の一つは、ケース内のムーブメントホルダーを支え、ムーブメントを安定させるスクリューです。当然のことながら使用されているスクリューはしっかりとシールされており、防水性には何の問題もありません。